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医療法人設立の要件

<医療法人設立の要件>


 医療法人設立の要件には、大きく分けて、「人的要件」「財産的要件」があります。以下で順にご説明いたします。


 
1、医療法人の設立申請ができる人的要件


まず、「医療法人設立ができる人」については、


医師又は歯科医師

欠格条項(医療法第46条の2第2項)に該当していない方
 ・成年被後見人又は被保佐人でない方
 ・医療法、医師法、歯科医師法及び関係法令に現在及び過去2年間違反していない方
 ・禁固以上の刑に処せられ、刑を執行されているか執行猶予期間中でない方

 
です。

この要件は、現在にいたるまでまじめに医師または歯科医師をされてきた方は問題なく満たすと思います。

次に、「医療法人の構成」については、


まず、 「役員」について、

原則として理事3人以上が必要です。

そして、理事のうち医師または歯科医師1人を理事長として互選します。

さらに、監事1人以上が必要です。

但し、監事は理事を監督する立場にあるので、法人の利害関係者や理事の親族(6親等以内を目途)などは就任できません。
 
※いずれも未成年や取引先企業の役職員の就任は望ましくありません。

次に「社員(設立者)」を見ていきます。

社員は、原則として3人以上です。医療法人の社員は、株式会社でいう株主に近いものをいいます。
 社員になるには出資が必須ではなく、出資した方は必ず社員になりますが、出資していない方も社員になれます。

 

2、医療法人設立の財産的要件

まず、 「自己資本比率」に関する要件があります。

具体的には、

「自己資本比率:財産総額−負債総額)÷財産総額×100」が、
  

診療所のみを開設する場合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0%以上
  
病院又は介護老人保健施設を開設する場合 ・・・・20%以上

でなければいけません。

次に「出資財産」については、


不動産、借地権 預貯金 医業未収入金 医薬品・材料など 医療用器械備品 什器備品 電話加入権 保証金等 内装付帯設備 その他

が含まれます。


そして、 「負債」については、

出資(寄附)財産の取得時に発生した負債は引き継ぐことができます。

しかし、法人化前の運転資金や消耗品購入費用の負債は引き継ぐことができません。


さらに、 「運転資金」については、「原則として年間支出予算の2か月分が必要」です。

預貯金や医業未収入金など換金性が高いもので算出され、法人設立後の金融機関からの借入金は運転資金として算入出来ません。

 

また、 「医院不動産の永続的な確保」も要件となります。

 医院の土地・建物は医療法人所有のものが望ましいとされていますが、長期(10年以上)の賃貸借契約が担保されていれば借地、借家でも可能です。

 注意して欲しいのは、医師個人所有の不動産を安易に医療法人に出資すると、将来的な相続の際に「小規模事業等宅地の特例」を受けられなくなったり、税制上必ずしも有利とは言えない場合もあるということです。

したがって、個人所有の不動産の医療法人への出資は慎重に検討されることをお勧めします。


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